すみくらまりこ

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This topic contains 42件の返信, has 1件の返信, and was last updated by  mariko sumikura 10 ヶ月 2 週間前.

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  • #2703

    mariko sumikura
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    修正(ルビは出ません)

    #2720

    mariko sumikura
    キーマスター

    ロカ岬
              すみくらまりこ

    「ここに地終わり海始まる」Onde a terra acaba e o mar começa

    坂を登りつめると、道は突然に途切れる。そうして切り立った断崖絶壁の向こうには空と海が広がっている。ユーラシア大陸の最東端ロシア・デジニョフ岬から最西端ロカ岬につづく人の道はここに断たれることになる。

    人々の足はここで竦み、しばし佇んで己が場所へ戻る。しかし詩人は翼を持っている。大航海時代に船出した人々のように、決して後戻りはしない。生命が終わり魂命が始まるように、新しい道を探すのだ。

    詩祭とは、そういうもの。詩人が集まり、ただ詩神を喜ばせ、別れていくものではない。それは終点ではない。翼を持つ詩人たちは、そこから詩の新大陸へ飛び込んでいく。互いに違うことを喜び、尊重するのだ。独り翔ける詩人を思いやりながら。

    ポルトガルのロカ岬
    ポルトガルの詩人ルイス・デ・カモンイスの叙事詩『ウズ・ルジアダス』第3詩20節の一節「ここに地終わり海始まる(Onde a terra acaba e o mar começa)」を刻んだ石碑がある。

    #2726

    mariko sumikura
    キーマスター

    ゴールドバザールにて
            すみくらまりこ

    イスタンブールのグランドバザールは
    入ったら出られない迷路だ
    溢れんばかりの品が どの店の
    入口から奥にまでも 積まれている

    金製品ばかりの市場で
    ピアスを片方なくした友のために
    実物を手に 似た品を探す
    気に入っていたものだというから

    入店するたびに
    振舞われる紅茶に
    ついつい気が大きくなってくる
    本日のレートも忘れてくる

    売り言葉に 買い言葉
    「どこよりも安いよ」
    「このために日本から来たの」
    「安くするよ」「ありがとう」

    帰国後 友は新品のピアスを手に
    ご機嫌だ 「よく似ているわ」
    「この見本はどうするの?」
    「あげるわ、いらないから」

    わたしの手に 片耳ピアス
    のこされて 淋しそう
    わたしの魔法で 美しい
    逸品に変えてあげましょう

    #2727

    mariko sumikura
    キーマスター

    戦う小骨
         すみくらまりこ

    まだ生きているような
    透明の目をした鯵だった
    お腹を掃除していて
    指を傷つけてしまった

    血が滲んだけれど
    美味しく頂いて
    それも忘れていたのに
    まだ鈍い痛みが続いている

    死んでなお
    漁師を傷つけ
    調理師を傷つけ
    喉にも刺さろうとする

    小さな鯵ですら
    必死に抵抗している
    命を失っても戦える小骨を
    わたしは持っているだろうか

    #2740

    mariko sumikura
    キーマスター

    無憂樹の花
          すみくらまりこ

    葉は重なりあって 冷んやりと樹肌を和らげ
    花は赤く染まって 華やかに樹枝を飾り
    衆生の祈りを二千五百年も聴いて下さる
    そんな無憂樹が印度にはあるという

    その聖樹に集むる人々のなか
    もたれて目を瞑る人々の独りに
    混じりたいと 呟けば
    師走の風が走り抜けていく

    無憂樹の花は
    心の中に咲くのだ、と
    ささやきながら。

    #2741

    mariko sumikura
    キーマスター

    紅葉の謎

    きのうからの秋雨があがると
    錦をまとった比叡山の中腹は
    自らの熱が生む靄に包まれていた

    落葉は ただ落ちればいいのに
    なぜに華やかに染め尽くすのだ
    そんなにも詩心を騒がせるのだ

    何のために 誰のために
    みずからの熱を削いでいるのだ
    命とはそれほど断ち難いものか

    美しい謎は解かぬがよい

    #2742

    mariko sumikura
    キーマスター

    光跡

    「はやぶさ」が元気に飛んでいる。羽ばたきもせず、息もせず、静かに目的の一点を目指している。それは「竜宮」。われらが星から巣立ったはやぶさは五年の旅をする。竜宮のお土産を手に戻ってくるまで一秒たりとも目を離さない人々に守られて。

    暗い夜空に一筋の光の跡。使命を背に飛ぶはやぶさは温かい。太陽の光は、熱を与え続けるからだ。それを力に体躯はスゥイングして、微妙に向きを変えている。暗いのは海の底だけではない、行く手の闇には羽を休める枝もない。

    われわれも光を発して生きている。愛という光だ。そうしてわずか百年に満たない光跡を残して消えていく。しかし光の点滅は詩のなかに留まれる。そして命の担い手たちは、過去の光を読むことができる。夜空に煌く命なき美しさを仰ぎながら。

    #2769

    mariko sumikura
    キーマスター

    The Ashoka Blossom
           Mariko Sumikura   

    The leaves grown thick cooling down heated bark
    The flowers dyed in red decorating rich branches
    This ashoka tree remains to listening prayer for 2500 years
    The Sorrow-less flower it is….

    “I wish to meet you
    To dedicate my prayer for making me live on”
    While I murmured so
    Restless wind of year’s end was skimming by me

    Whispering me
    “The Ashoka blossoms
    Are in your mind”

    無憂樹の花
          

    葉は重なりあって 冷んやりと樹肌を和らげ
    花は赤く染まって 華やかに樹枝を飾り
    衆生の祈りを二千五百年も聴いて下さる
    そんな無憂樹が印度にはあるという

    その聖樹に集むる人々にまじって
    生かせていただいていることに
    感謝の祈りを捧げたいと呟けば
    忙しない師走の風が走り抜けていく

    無憂樹の花は
    心の中に咲くのだ、と
    ささやきながら。

    #2832

    mariko sumikura
    キーマスター

    映像詩「花の書」をYoutubeで発表しました。お楽しみください。

    #2835

    mariko sumikura
    キーマスター

    Book of Flower by Mariko Sumikrua

    #3077

    mariko sumikura
    キーマスター

    ダンテ・マッフィア三百句集のプロモーション・ムービです。キンドルで発売中。
    千句集(全三巻)も作業中です。乞うご期待!

    #3328

    mariko sumikura
    キーマスター

    映像詩「真珠色の湖」をお楽しみください。
    金魚愛が高じてしまいました。

    #3396

    mariko sumikura
    キーマスター

    チェス物語
    すみくらまりこ

    その1

    米国棋士と対戦した
    もう一駒も動かせない
    しのぎ合い

    ついに敵の騎士は
    王の後ろに隠れた
    なんとぶざまだ

    身を挺さない
    騎士に馬も呆れ
    立ちすくんでいる

    もしも この戦い
    最後に勝っても
    この王は負けている

    レバノンの棋士と対戦した
    王は一人残っても
    果敢に攻めてくる

    城塞の斜めから
    騎士の後ろから
    血の気が多い王

    負けることに
    自分が許せない
    采配が悪かったのか

    早々と女王を
    失った復讐か
    孤独な王は美しい

    韓国の棋士と対戦した
    城塞が完璧だ
    王が籠城する

    水も漏らさぬ
    城内で 静かに
    髭の手入れをする

    何の思案か
    勝つことより
    負けぬ方を選んだ

    雪がふる
    王が見る
    最後の雪が降る

    その2

    ベトナムの棋士と対戦した
    城塞も騎士も
    まったく動かない

    まるで軍勢に
    余裕を見せて
    決戦まで温存する構え

    まずは騎士を倒す
    二人とも倒す
    正攻法でいこう

    見通しよく
    王は降参をする
    次の戦いに備えて

    バーレーンの棋士と対戦した
    膠着した時間
    でも根負けしない

    ズル賢い僧侶が
    遠くから交差地を
    ロックオンする

    敵ながら
    上手な構え
    我が歩兵は城内へ

    やたら倒して
    兵力を削ぐより
    総攻撃に備える

    アルバニアの棋士と対戦した
    我が女王は
    早々に城内を制圧

    歩兵が続いていく
    相手の狼狽は
    見ずとも分かる

    一つの駒を
    倒したことで
    喜んでいる敵

    捨て駒は
    一番強い駒と
    同じ値打ちがある

    その3

    マレーシアの棋士と対戦した
    敵王を攻める
    強気な女王

    城内まで
    踏み込み
    攻めまくる

    王を守ろうと
    我が女王が割って入る
    敵の女王は回り込む

    どう回り込んでも
    我が女王が割って入る
    とうとう敵は諦めた

    ドイツの棋士と対戦した
    敵の城内から
    二頭の馬が出てきた

    ワルツのように
    蝶のように
    蹄を鳴らした

    歩兵も立ったまま
    僧侶も居眠りし
    王族も平穏だ

    敵ながら
    天晴れな馬使い
    真似したいくらい

    ベトナムの棋士と対戦した
    漫然とは
    駒を進めまい

    下がって
    仕掛けて
    まずは騎士

    そして女王
    女王が倒れれば
    敵は最後までもたない

    それでも
    周到な敵陣は
    歩兵を斜めに列す

    勝てない戦いも
    負けなければ
    引き分けとなる

    その4

    オーストラリアの棋士と対戦した
    騎士は三歩で
    敵城へ入る

    ためらわない
    踏み込む
    退路を確保する

    そうすると
    無駄な力が抜ける
    常に王をロックオン

    闘争心を
    失わせるのは
    簡単だった

    インドの棋士と対戦した
    女王と女王が
    向き合ったら倒す

    刺し違えても
    倒さねばならない
    安全策など取らない

    門を隣同士にすると
    王の動きは
    止まる

    歩兵の布陣を
    作らせるまでに
    優位になっておく

    イスラエルの棋士と対戦した
    切れる敵は
    無駄がない

    ただ自らの
    布陣が邪魔で
    詰ませられない

    遊び駒が
    怠けている
    そんな雰囲気

    勇士に任せ
    考え過ぎて
    時間に負けた

    その5

    シリアの棋士と対戦した
    こちらの布陣は
    市松模様

    真ん中に
    王座をいただき
    磐石の態勢

    美しい布陣は
    明らかに
    強い布陣だ

    受けて立ち
    辛抱すれば
    道は開ける

    サウジアラビアの棋士と対戦した
    歩兵は単独行動
    してはならない

    組んで動き
    城を守ったり
    じわじわと上がる

    守るのが
    使命の兵も
    王手をかける時がくる

    この大志を
    秘めながら
    今日も我慢する

    その6

    イスラエルの棋士と対戦した
    切れる敵は
    無駄がない

    ただ自らの
    布陣が邪魔で
    詰ませられない

    遊び駒が
    怠けている
    そんな雰囲気

    勇士に任せ
    考え過ぎて
    時間に負けた

    その6

    スペインの棋士と対戦した
    先手必勝と
    僧侶劇場

    守りが崩れたら
    追い波にして
    退却する

    相手の軍勢
    歩兵の動きが
    乱れてくる

    掛けたり
    引いたりで
    楽しくなる

    アルゼンチンの棋士と対戦した
    針穴のような
    脆い箇所を見抜く

    そうして
    少しずつ布陣する
    小戦で気をそらす

    そこじゃない
    裏を取る
    作戦は早いほうがいい

    その散らし技を
    使い分け
    決戦を待つ

    シリアの棋士と対戦した
    狡智は美徳
    勝負師の腕

    砂漠の国で
    白い服を着て
    スマホでチェス

    政情は 戦闘は
    本当の戦いが
    そこには存在する

    気晴らしか
    電脳の遊びか
    唯一の救いか

    その7

    韓国の棋士と対戦した
    女王が早々と
    乗り出してくる

    その癖を知り
    あらかじめ
    道を押さえる

    あとは
    いつものように
    じっくり進める

    敵は悩んでいる
    いつもと勝手が
    違うからだ

    決戦に入る前に
    かなしいかな
    時間という敵に屈した

    その8
    アルゼンチンの棋士と対戦した
    必死の攻防が
    続いた

    真冬の国
    真夏の国が
    戦っている

    騎士の
    三歩作戦に
    読み間違い

    歩兵は
    必死に戦って
    王を逃がそうとする

    この王は歩兵を
    見捨てられない
    情は敗因となる

    クロアチアの棋士と対戦した
    戦いとは
    何だろう

    全知全能を使い
    まだ不足で
    狡智を使い

    ただ勝利を得る
    不敗を誇る
    栄枯盛衰を知らず

    チェスはゲーム
    血を流す訳でなく
    王を守るシステム

    旅のおわりに

    ここに来て思う
    弱者は強者に
    滅ぼされ

    強者は
    転がり落ちる
    山を高く登る

    心だって
    傷は疼く
    無色の血を流す

    ましてや無駄死
    敵前に残しての退却
    見殺しされた歩兵

    城の塔に
    命乞いをする
    王もいた

    野戦で
    一番乗りする
    王もいた

    ただ守られて
    髯の手入れをする
    王もいた

    一人一人
    歩兵を倒す
    王もいた

    軍を揃え
    訓練し
    戦いに備えて

    守りに強く
    勝たずとも
    負けない国

    他国を
    攻めない国
    そんな国もあった

    情け深い王がいた
    気性の荒い女王がいた
    チェスは戦記の書物だった

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