加納由将

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  • #793

    加納由将
    参加者

    ジュンは

    どこに行ったのだろう        
    ジュンは
    入り口を入ると
    つながれたリードを
    いっぱいに伸ばして
    尾を振っている
    ジュンは
    近づくと
    後ろ足で立って
    手をつなごうと
    舌を出している
    ジュンは
    夕方餌をやろうと
    出て行っても
    出てこない
    リードを引っ張ると
    留め金だけが
    でてきた

    どこに行ったのだろう
    ジュンは
    しばらく入り口を開けておいたが
    朝になっても帰ってはこなかった
    どこに行ったのだろう
    ジュンは
    あれから何年たつのだろう

    #796

    mariko sumikura
    キーマスター

    自分

    はかなく                   
    終わらせない
    夢をあきらめない

    それは
    動物ではないから
    動物は子孫を残す

    歩かない自分は
    いったいなんなのか
    車輪の上の操り人形

    子孫も残せそうになく
    人間でも動物でもない
    だから
    夢をあきらめない
    動物になることを
    あきらめない

    言葉を話す奇怪さ
    一瞬で消える
    淡雪は
    かすかにあざ笑う
    動物の夢の中
    人間が現れるころ

    #797

    mariko sumikura
    キーマスター

    第二のふるさと


    散歩に出かける
    夜風は
    火照った頬に
    心地よく
    進んでいく
    古い町並み
    誰も通らないで
    音も聞こえない
    どれほど
    昔から
    いたのだろう
    この家並み

    昼間
    国際色豊かで
    賑やかな
    風景は五時を過ぎると一変して
    音のない世界
    ガス灯模した街灯が
    続く
    ゆっくり歩いていく
    脇差すれる音が
    聞こえ羽織袴の後ろ姿
    一瞬消える
    散歩は続く

    #798

    mariko sumikura
    キーマスター

    一日の終り

    体から離れる
    意識
    枕で真っ暗
    底のない井戸に
    落ちていく
    影のない体
    揺らいでいる
    意識の中で
    何を想う
    体から
    離れた妙な
    うれしさだろうか
    真っ暗な中
    まったく見えない
    自分の体
    疲れた体で
    落ちていく

    #799

    mariko sumikura
    キーマスター

    世界の終り

    世界が終っていると
    夜中
    目を覚まして
    気が付く
    昨日

    今日の
    間で
    音を探す
    思考は
    螺旋階段を
    駆け上がる
    明日は
    幻想のままで
    手招きしている
    終わっていることに
    気づいた人間は
    世界から
    抹殺されていく
    幻想の言葉は
    無限に増殖していく
    無意味に流される
    情報は脳を抜け殻にしていく

    #928

    加納由将
    参加者

     膨らむ

    静かに
    広がる
    大地の向こう側で
    大きい
    叫びが聞こえる
    雨雲は
    光を
    飲み込んでいく
    立ちつくし
    何もできず
    見上げていると
    風が全身を覆い
    寸法を測り
    去っていく
    いつまでも
    こうしている

    #929

    mariko sumikura
    キーマスター

    落ち着かないって              
    言ったって
    わからないよね
    椅子に腰掛け
    一日中
    一晩中
    あなたの声を
    聞いていないと

    風の中
    落ち葉の中に
    ここから見えない
    あなたの
    姿を見ていないと
    落ち着かないんだ

    どうしてって
    聞かれても
    わからない
    わからないんだ

    雲がなぜあんなに高いのか
    わからないのと同じように
    わからない
    二人が出会った時の記憶も
    あいまいな今と
    同じように
    落ち着かないんだ

    #1460

    加納由将
    参加者

     顔
    祖母の顔を
    見に行く
    もう口数は少なく
    目はうつろ
    呼びかけると一瞬
    目を見開く

    部屋を出て
    誰も見ていない
    テレビのあるロビーに行く

    見覚えのある顔
    中学時代もっとも
    慕っていた恩師だった
    祖父のこともよく知っており
    孫のように

    「先生」
    声をかけると無表情でこちらを向くが
    無反応
    何も話さない
    卒業して二十五年
    先生の顔は少年の顔
    何にもけがされていない顔
    何も言えなくなってただ背中をさすっていた

    #2157

    加納由将
    参加者

     ある一日
    一日が
    過ぎていく
    言葉も
    見つからず
    無為な
    時間が流れていく
    窓を開けると
    雲が流れていくのが
    見えた
    どこに行くのだろう
    高い山をも
    超えていくのだろう
    歩けない自分を
    思い出す
    見えない
    縄が手足を
    縛り
    動けない体
    血液に輸液が
    流れ
    薄れていく
    視界

    • This reply was modified 4 年 11 ヶ月前 by  加納由将.
    #2161

    加納由将
    参加者

     再生
    夜が来る
    遠くから
    聞こえる声に
    足が進む
    行きつくのは
    墓場
    誰も来ない
    傾いた
    墓石には
    苔が張り付いている
    湿っぽい
    空気を吸っている
    一つの
    墓石
    光ってる
    前に女
    前に立つと
    突然
    地底に
    沈んでいく
    生まれ変わる

    #2432

    加納由将
    参加者

     あなたへ
    僕は
    歌い始めた
    動かない
    体から
    発する声は
    はじめ
    ただの叫び声だったかもしれないけれど
    そこに
    音符が
    まとわりついてきて
    風のメロディー
    出来上がる

    聞こえているかい

    勇気が
    いるんだぜ
    声を上げるって

    でも
    僕は
    歌い続けるよ

    あなたに届いて
    ほしいから
    今でも
    歌い続けている

    #2433

    加納由将
    参加者

     暗流天破
    その詩人は
    闘気が
    半端なく
    強かった

    読者の
    磁場を
    なくし
    空中に
    浮遊させる

    地面がどこか
    分からなくなる
    遠い
    海に放り込まれる

    突然
    息苦しくなって
    本から
    顔を
    あげると
    大きく
    息を吐く

    #2434

    加納由将
    参加者

     赤い記憶
    記憶を
    なくしていた
    元から
    なかったのかもしれない
    どこにも行かないままで
    座っている
    言葉が
    素通り
    ベッドの上で
    頭は空っぽ
    どこにも行けず
    血流を
    眺める
    遠くから
    旅人の声
    記憶を
    探し続ける

    #2435

    加納由将
    参加者

     森の病室
    腹痛を感じて
    目を覚ますと
    天井に
    梟の影
    声は
    遠い
    首を傾けると
    痩せた梟が
    寝ている
    呼吸のたびに
    胸の
    羽が揺れている
    腕からの管は
    幹と繋がり
    梟とも
    繋がっていて
    体内を森で
    満たしていく
    羽ばたく音が
    聞こえ
    影は消えた

    #2436

    加納由将
    参加者

     生きる
    死ねば
    みな同じ

    ではなくて

    本が残る
    絵が残る
    彫刻が残る
    写真が残り
    声すらも残る

    誰にでも
    そこに
    意思があれば

    残っていれば
    誰かの目に触れ
    読まれ
    聴かれ
    触られする

    そして
    生き続ける
    ヤドリギのように
    その人の体内で

    #2518

    加納由将
    参加者

     すれ違い

    大きく
    息を吐く
    あずまやに座り
    考えてみる
    ブランコが
    揺れている
    自分の年齢も
    忘れてしまった
    これから
    どうしよう
    疲れている
    ことに
    気が付く
    一回
    見に行くか

    遊んだ
    河原で自分に出会う
    恥ずかしそうに
    頭を下げる
    こちらも頭を下げる
    本当に自分だったのかと
    想い
    朝日に気付く

    #2523

    加納由将
    参加者

     遠い昔
    急に
    会いたくなったから
    アルバム
    開く
    毎日
    遊びに来てた頃
    ずっと続くと思ってた頃
    笑っている自分がいる
    不自由なんて感じず
    自分の世界が狭く感じたこともなく
    当たり前に感じて
    幸せだった頃
    君は一人で血を流していたんだね
    わかってやれなかった
    学校からおばあちゃんのところに帰っていたっけ
    ご両親は共働きで
    二人で何をするわけでもなく
    すっと手を重ねていたような
    会いたいよ
    声は届くけれど
    会いたいよ
    話なんてしなくていいから
    君はそっと
    口笛を吹いていたっけ

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