飛鳥聖羅「ネオ・ポエティカ」

新着状況 フォーラム あ行の会員 飛鳥聖羅「ネオ・ポエティカ」

タグ: 

This topic contains 6件の返信, has 2件の返信, and was last updated by  飛鳥聖羅 5 年 7 ヶ月前.

7件の投稿を表示中 - 1件目から 7件目 (全7件中)
  • 投稿者
    投稿
  • #321

    飛鳥聖羅
    参加者

    飛鳥聖羅の詩のページです。
    「ネオ・ポエティカ」は、新しい詩という意味です。

    • This topic was modified 5 年 4 ヶ月前 by  mariko sumikura. Reason: トピックス変更
    #322

    飛鳥聖羅
    参加者

    夜は小舟を連れてやってくる

             飛鳥聖羅

    夜は小舟を連れてやってくる
    歌う鳥とともにやってくる
    月の小舟を連れてやってくる
    粉々に砕けた鏡の光を放ちながら
    夜はサックスを奏でる
    煌めく恋人を連れてやってくる
    血潮の中で燃えあがり
    シャンデリアの下で踊る恋人を

    銀のぬくもりとルビーの優しさの
    月の光のなかで
    潮騒にとろける恋ならば
    僕のハートがプリズムになり
    虹にかがやく矢を放つ
    誰にも止められない矢を放つ
    生命の樹から溢れ出る歓びの歌声と
    飛び立つ鳥のように

    あなたの胸の円くしなやかな
    ふくらみにつつまれた夜の
    しじまの愛おしさよ
    たおやかになめらかに撓るヤシの樹々よ
    いつかの夜のように
    やさしくもだえた記憶の水底で
    ダイヤの冷たい優しさが
    ときめきの恋に火を点す

    いつかの星蛍のように
    いつかの海の漁り火のように
    きらめく恋で流す涙は
    ジャスミンの花と咲きこぼれ
    あなたのぬくもりのしとねに
    恋に落ちたふたつの影が融けてゆく
    流れる水に生と死を織りなす
    錦秋の病葉のように燃えながら

    いつかの夜のように
    銀河の海が二人の小舟を揺らすとき
    いつかの船旅のように
    海が無限の愛の帆を揚げるのだ
    夜は智慧の蛇のように
    煌めく恋人を連れてやってくる
    潮騒の中で手を結びあい
    シャンデリアの下で踊る恋人を

    夜は小舟を連れてやってくる
    愛の光を放つ菩薩とともにやってくる
    月の小舟を連れてやってくる
    粉々に砕けたダイヤの光彩を放ちながら
    夜は無邪気な目をして
    銀色の竪琴を奏でる詩人を連れてやってくる
    パッションの鎌首を持ち上げた
    コブラの顔つきの波頭を引き連れて

    ハバナの熱い夜と海のように
    地球が一人の美しい歌姫であったなら
    どんな音色を奏でるだろうか
    どんな歌声を響かせるだろうか
    天才ミュージシャンのように
    どんなリズムとロマンスを物語るだろうか
    金星や火星に友を求める
    神話の女神でなかったとしても

    夜は小舟を連れてやってくる
    新しい愛と幸せの神話の熱狂の日々を連れて
    月の小舟とともにやってくる
    銀河の宝石をちりばめたつばさを広げ
    海に沈み行く黄色い太陽を追いかけるように
    天に昇りゆく月の舟影
    今夜のうちにあなたを乗せて異国の
    宝の在処を訪ねにでかけようとやってくる

    #324

    mariko sumikura
    キーマスター

    夜は小舟を連れてやってくる このリフレインとともに、読者まで訪れを期待してしまうような、印象深い詩ですね。

    #356

    飛鳥聖羅
    参加者

    春の嵐
        飛鳥聖羅

    今朝の岸辺が
    氷河期の波に洗われている
    いつまでも春色に遠い空の色よ
    花を目覚めさせ起こしに
    風が吹き寄せるのは
    いったいいつなのか
    蕾がピンクに充血したままだが
    すべての樹々や花々に満ちる
    生きる歓びを
    わが胸に吸い込める時が
    来るのはいつの日か
    私の足もとに踊る波の翼よ

    誰の名前を知るわけではないが
    愛しいものを愛する人がするように
    風がすべてのものを頬擦りして
    優しさや緑を芽吹かせるようにして
    野山や町並みを吹き抜け
    看板や幟の旗など
    はためかせ人混みをかき分けて
    硝子のマントを羽織った
    風の又三郎が
    笑って通り過ぎていく昼下がり

    砂塵を巻き上げ
    つむじ風が杉の樹をなぎ倒し
    車を横転させ人を動転させて
    素知らぬ顔で天を駆け抜けていく
    たそがれの魔に遭遇する時刻
    電車が止まり一瞬人々を釘付けにし
    背筋を凍りつかせる
    戦慄の春の嵐
    人は度重なる試練の網を
    頭から被せられ
    悶えもがき苦しんで
    夕刻の闇を迎える

    生まれたばかりの眩しさを
    三色すみれや
    アーモンドの花が醸し出しているが
    砕けた鏡の虚しさに溢れている
    花づな列島の
    東北部にただよう蘇生の物語に
    春の雪が降り止まない
    夜の凛冽さを
    連れてやってくる
    しばし待て
    雪の地平線に昇りゆく
    太陽フレアの紅焔が齎す
    春のシンフォニーを聴くために

    #357

    飛鳥聖羅
    参加者

    詩の魔法
          飛鳥聖羅

    詩にまったく価値を
    見いださない人もいるだろうが
    詩には計り知れない価値が
    あると思うのが詩人だ
    詩とは何だろうか
    不思議な謎めいたミステリーの
    誰が犯人かを解明するように
    簡単には解けない問題だ

    凄腕の魔術師が手品を
    披露するように見る者をして
    アッと言わせるテクニックを
    秘めていたりするのが詩だ
    しばらく詩が持っている
    魔法について自然体で
    思考のさざ波に湯浴みしてみようと
    思うわたしが此処にいる

    詩は恐ろしい暗闇を行く人には
    ひとつの光明となり
    絶望の淵に沈む人には
    希望の道筋を教える教師となる
    前進を怖れる人には
    その背中をそっと押す勇気の手となり
    疑い深い人にはありのまま
    信じることの大切さを示す
    河の水となる

    目の不自由な人には
    生まれたばかりの新しい目となり
    耳の不自由な人には
    絶対音感を備えた新しい耳となる
    寡黙な人には
    時に応じて雄弁の舌をあたえ
    短気でおしゃべりな人には
    時に沈思黙考の機会を与える

    翼の折れた者には
    代わりとなる美しい翼を与え
    嵐の空へも飛び出せる
    瞬発力と飛翔力を与える
    歌を忘れた者には
    ふたたび美しく歌える声を与え
    走ることを忘れた者には
    荒野を駆け巡る脚力を与える

    脚や腕を失った人には
    自在に歩ける丈夫な杖となり
    心の病める人には
    優しい手を差し伸べる母となる
    恋に悩める人には
    海の響きと空に輝く星となり
    壁にぶち当たる人には
    それを越えゆく叡智となる

    富を失った人には
    不思議な話だが
    泉のように湧く富となり
    友を失った人には
    永遠の友情を誓う友となる
    愛を失った人には
    何ひとつ欠けることのない
    価値となり
    親を失った人には
    いつでも優しく見守る銀河となる

    それが世界にひとつの価値を
    もたらす詩の力なのだ

    #362

    mariko sumikura
    キーマスター

    花づな列島、美しい表現ですね。東北の復興が強く念じられているのが伝わります。

    #374

    飛鳥聖羅
    参加者

    誰も知らない歌
    飛鳥聖羅

    お誕生日おめでとう
    この世でもっとも大切な人よ
    今年も一年
    あなたの美しい笑顔に出会える
    幸せをぼくにください
    鮭の泳ぐ川上や
    鱒の棲む湖に
    月光の曼珠沙華が咲き乱れる時
    あなたのバネ仕掛けの
    はじける歓びをぼくにください

    もしそれが叶ったなら
    嘘偽りなく新春の空の下で
    ぼくはあなたに
    次のものをさし上げましょう
    誰も知らない
    誰も聴いたこともない
    歌を歌いましょう
    何故ならそれは
    ぼくが初めて作る歌だから

    もし七つの海が荒れているなら
    あなたの不安を取り除くために
    嵐がすぐにおさまるように
    祈りましょう
    仄暗い小さな僕の部屋の片隅で
    心静かに祈りましょう

    ふたつ 三つの太陽が
    出現するような現象が現れたなら
    あなたの街の近くの海に
    虹が架かるように祈りましょう
    真新しい世界が
    眼前に現れるようにと

    お誕生日おめでとう
    僕に靴下や肌着をくれた人よ
    この一年
    海に沈む太陽のすこやかさと
    昇る月の壮麗のまろやかさで
    生きていってください
    僕が贈った紀州の蜜柑ジャムを
    美味しく食べてくれた人よ

    あなたがぼくにくれた
    焼酎や最中を思い出す
    日常の中に澄み切った
    異次元の歓びが
    翼をつけて飛んでいるよ
    あなたの幸せの火が
    そのままぼくの身体に点火して
    真っ暗闇の茨道を
    勇者の道へと
    変貌させてしまうのだ

    あなたが聡明でいるなら
    月の船が雪の降りやんだ
    午前零時に
    天空に白い帆を揚げるとき
    雲の小島から流れ出た
    光の矢羽根で
    あなたの髪のかんざしを作りましょう
    巧みな技師のように

    そのなかに宇宙を収める
    一粒の星の砂をあげましょう
    それをピアスにして
    夜の街を歩くあなたに会いたいから
    誰もが振り向くあなたが
    そこにいるだろう
    銀河の翼に変身したあなたが

7件の投稿を表示中 - 1件目から 7件目 (全7件中)

このトピックに返信するにはログインしてください。