心に響いた詩

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  • #2553

    mariko sumikura
    キーマスター

    無題 Ⅲ
         ベン・ベール    すみくらまりこ訳

    さて、テレビで笑うことは本当なのだ
    そして、彼らは我々のため森で歌い歩き回る
    わたしは思うのだ 誰かがそれを望んでいるのだと、
    そんな企画が 我々をして能天気に
    肘かけに毎日座らせておくことを
    たぶん謀反の時だ
    革命は壮大に聞こえてしまうが、刃向かいだ、
    さもなければ我々はずっとこのままだ

    #2557

    mariko sumikura
    キーマスター

    「逆光」より
    イサカ
          ジャーメイン・ドルーゲンブロート すみくらまりこ

    いつか夢で描いた太陽
    その芥子の紅色と
    黄土色(オーク)の山頂から
    閃めいた光が抱き合い
    地中海へ散光していく
    真珠色の海と銀色が
    天空を絵取っていく
    青色なお青く 白色は
    荒涼とした脳裏から
    溜まる記憶を消去する

    #2571

    mariko sumikura
    キーマスター

    心耳
        ジャーメイン・ドルーゲンブロート

    盲いたひとを抱き寄せる
    夜の窓
    聞き取れる
    - 沈黙。

    #2596

    mariko sumikura
    キーマスター


        ジャーメイン・ドルーゲンブロート

    「鴉は群で飛ぶ
      鷲は一羽で飛ぶ」
      ルキノ・ヴィスコンティ

    鷲は飛ぶ
    天国にいと近く

    孤独な
    詩人のように

    #2621

    mariko sumikura
    キーマスター

    防水ブーツ
    アドルフ・シュヴェチコフ

    長年も防水ブーツが
    小さな物置においてある
    第二次大戦で履いた
    祖父のブーツだ
    ああ、防水ブーツよ
    おまえは苛酷なことを見たんだ
    僕は布で足を包んだ
    防水ブーツを履くために
    とつぜん自分が見えた
    前に敵の戦車がいるのを
    祖父が数十年前にしたように
    いまの僕の年齢だった
    ああ、忌まわしい戦争、どれだけの人びとが死んだ
    たぶん今日は記念碑を建てる
    その時だ
    僕らの兵士の防水ブーツのために!

    #2623

    mariko sumikura
    キーマスター

    僕を見て
    ユーリ・タルヴェット

    見て 見て 見てごらん
    きみは薄く薄くなったので
    胸のふくらみに燕が巣をかけるよ 触れてごらん
    僕の線のような指に するときみは浮かぶことができる
    影を覆う 空中に
    目を閉じてごらん 裸足で平衡をとり
    丈夫なロープの上で きみの手のひらが
    僕のささやきが集める夜を覆うんだ
    僕はもう眠らないよ
    きみももうアフリカを訪ねないだろう

    #2629

    mariko sumikura
    キーマスター

    事故
    ヨルゴス・チョリアラス

    詩を書く工場で働いている。ある日、仕事中、右手が
    ふたつの巨大な鉛筆に挟まり潰される

    #2637

    mariko sumikura
    キーマスター

    恋人たち
      ウダヤン・タッカー

    幸福が針の穴を通る
    幸せが大きすぎます?

    真夜中の鳥の歌!
    誰がそうなれます?・・・でも覚えているの
           *
    訳がわからない、手相見さん!
    手の平が力こぶへ移動したの?それとも力こぶが手の平に?

    樹は少なくとも蔦を出す(人間は工場へ)
    それがきみへの新数学だ

    他人の靴に足を入れたのか?
    僕は自分の靴にたいしてちっぽけすぎる

    聡明なきみよ!きみは33000万ルピーまで
    数えられるじゃないか!
    その数字にショックを受けたよ。

    音は光より長くかかるんだ
    この詩を読むだろう、でも涙は聞くより長くかかるんだ

    ————————————————
    Translated from ‘Shers.’ A ‘Sher’ is a couplet written in any one of the several specified meters. Five or more ‘Shers’ make a ‘Ghazal’.
    *Three hundrd and thirty million, the number of deities according to some Hindu sects.
           *
    彼はおもむろにこの庭を見に来ると約束したわ
    でも蝶の羽を描くのに時間が要るのよ

    チューリップの根に触れたら
    タンブラーが花瓶に変わったの

    なんて人生の装飾は豪華なの!
    なんて装飾のない人生は豪華なんだ

    朝日がタバコの葉を照らす
    霧が輪をつくり、畑が咳をする

    雄鶏はずっと前に予言した
    太陽は昇り沈みするだろう

    風は言いようもなく落着きがなかった
    葉っぱが話すことを教えたんだ

    惑星はお互いに尋ねあい運行する
    魅力的かい? 虜になったかい?

    ああ 虹よ!
    誰の涙を越えてきたんだ?

    「きみを捕まえるまで待っていて・・・」と
    尊師は蝶に言ったとさ

    #2656

    mariko sumikura
    キーマスター

    アムルトラル
        ウダヤン・タッカー

    緑のインクで、ときおりは赤で
    アムルトラルは詩を書いた
    丁寧に、几帳面な字で
    革表紙の日記に
    時々 疫病で死ぬのではないかと
    悪夢におそわれた
    彼の死後 詩は
    発表されず
    見つかりもしなかった

    しかしアムルトラルは長く生きている
    (僕の友だ)
    人生で彼は見たのだった
    彼の「詩集」の誕生を
    彼はその加齢と
    死をも見たのだった

    #2666

    mariko sumikura
    キーマスター


        ムセル・エニアイ

    わたしは見ている
        世界を
    時の外側にある

    無の砂漠から
    存在の天幕へ

    わたしは凧だ
        狂おしく揚がる

    悲しみの空に

    #2668

    mariko sumikura
    キーマスター

    淋しいポプラの下で
            ミハイ・エミネスク     

    淋しいポプラの下で
     僕は何度 間違いを犯したことか
    すべての隣人が知る僕の足音
     きみが聞こえなかっただけだ

    明りがこぼれるきみの窓へと
    何度 目を凝らしただろう
    僕のひとえに秘かな世界
    きみが知らなかっただけだ

    ひとつの言葉、あいづちのつぶやき
    何度 僕は祈ったことか!
    もし息が絶えても 何であろう
    その日を生きれば充分だ

    きみは でもちらりと見てくれた
          それは軽蔑の目ではなかった
    昇りゆく輝きの外部に
    新しい星は 誕生した

    きみは展開される一生をもてたのだ
         時の終わりも超えて
    ああそんなに冷たい腕をもつ
         ああ 大理石の崇高な姿よ!

    ある異教の伝承の偶像
         いまはもう見られない
    降りて来よ その上(かみ)より
         もう長い時が流れた

    僕の崇拝は戻らぬ時代のものだった
         欺かれた宗教による哀しい眼
    どの世代も伝えられてきた
        父から子へと

    しかしいま僕は気になるのだ
         あの道を歩くのに
    その顔も気を払わないのだ
         その美しさも僕には虚しい

    きょうのきみがそれに似ているから
         堪えることとその振りにおいて
    そして僕はきみの誇示をみる
         冷たく生気ないまなざしの

    きみは正しく価値を知るべきだった
         疑う意思をもってしても
    そして夜 にはカンテラを点(とぼ)せよ
         神が遣わされたところの愛へ

    #2671

    mariko sumikura
    キーマスター

    彼を待ちながら


    ガゼルのようにわたしは起きる
    山腹にいる自分を愉しんで
    あなたを待ちながら
    真昼
    花々に埋もれ
    わたしは描きはじめる
    川の水の子宮にあなたの名前を
    夕刻
    愛が満ちて、わたしは身をかがめ
    そうしてあなたを待つ
    夜に来てくれるまで
    鳥のようにわたしの止まり木に来てくれるまで
    そうしてあなたを波打たせる
    旗のように
    わたしのうえで

    ジオコンダ ベッリ(ニカラグア)

    すみくらまりこ訳

    #2678

    mariko sumikura
    キーマスター

    アルメヌイ・シスヤン(アルメニア)

    ***
    わたしは歩いています
    あなたが残した軌跡を―
    わたしの思い その複製が
    愛の種子を蒔きます
    わたしを覆ってくれますか
    いつか
    同じような優しさの
    土をかけて

    ***
    祥福のヨブ
    親族の次に
    愛する祖先よ―
    さもなくば どこで
    この胸つぶれる
    忍耐を負うのでしょうか?

    ***
    わたしの何が悪かったの?
    確かに ある日
    わたしは息絶えたわ
    わたしの未筆の
    詩によって

    ***
    大いなる不在が
    ここに 再び―
    わたしの内に 周りに
    慈み深い神さま
    お導きください
    本当のわたしが居ない場所へと!

    ***
    渚で
    小さな男の子が
    石を投げていたのです
    水面へ
    それを見たとき
    わたしの疑いが
    信仰に石を
    投じたのです

    ***
    あなたは
    知人の中でわたしを
    探そうとしているの
    でも できないと分かるでしょう
    神様が お手を入れられたのです
    砂の一粒一粒に

    ***
    昨日と明日の間
    今日はわたしを脅しています
    苦しい
    顔で

    入口と出口の間
    閉ざされた扉が
    わたしを締め付けます
    気密の室で

    ***
    熟して甘くなるものを
    早く口に入れてはいけません
    果実は そっとしておいて
    時がくるまで それは
    ひとりでも まったりと
    甘くなります

    ***
    石のように凍った
    根雪があります
    そこかしこに
    み空から贈られた
    純白の感情だったけれど
    あなたの温かさに
    触れることがなかったの

    ***
    愛が引き下ろされたとき
    すべての障碍が
    昨日と今日の
    最も大きい障碍が
    そこに残されました 今日は―
    あなたはそこにいないのです

    ***
    どうして樹は
    風を頼みにできましょう―それは
    樹の優しい腕のなか―
    たわわな枝を折ることはできないのです

    #2714

    mariko sumikura
    キーマスター

    きみが忘れた場所にいる
          マーマド・イスマイル

    ―春よ、きみはどこからやって来た?
    僕が神を見つけ出した場所から
    ―夏よ、きみはどこからやって来た?
    僕が年を重ねた場所から
    ―秋よ、きみはどこからやって来た?
    僕が足腰を弱くした場所から
    ―冬よ、きみはどこからやって来た?
    僕が忘れた場所から

    人生が過ぎていくのを嘆き
    僕は北の海辺にいる
    雲の陰にかくれた太陽
    僕は外国の土地にいる

    僕のことを尋ねるひともいない
    僕はどこなんだ、僕は?
    きみの記憶をよく探しておくれ
    きみが忘れた場所にいる

    #2725

    mariko sumikura
    キーマスター

    きみの中にいる
          マーマド・イスマイル

    葉よ  きみは降る
       枝から  異国の地に
    雨よ  きみは雲から降る
       異国の地に
    心よ これがきみの死ぬ日だったのか
       きみは異国の地に降るために来たのかい!?
    雲へ戻るためには
       きみは蒸発せねば
    枝へ戻るためには
       春を待たなければ
    母国へ戻るためには
       きみは墓に入れねば

    雨粒は蒸発する
       雨や雪になるために
    樹のつぼみは春になり
       実りの果を得る
    祖国よ、手をひろげてくれ
    私は消えて戻ろう
       きみの中にいるために

    #2732

    mariko sumikura
    キーマスター

    修道院
    ミハイル・シネルコフ

               A.P.マジロフに

    モルドヴァの北の修道院…
    虚無の心に新しい
    陽気な新春
    ちょうど空の青さが―疲弊したフレスコ壁画のそこに

    熱射と霜をまともにうけて
    大吹雪と雨にもみな耐えた
    装飾が外から輝いてみえる
    消滅したものを静かに思え

    心は駆け巡る 陶酔の青に
    何世紀かけて消し去られた色に
    しかし、草地の彼方にもっと大きい青の苦しみがある
    上からごう慢に見ている雲の彼方に

    ああ神よ

    #2757

    mariko sumikura
    キーマスター

    Scarlet Plum
    Haruka Ishii

    紅梅
    石井春香

    息の底に 身を沈める

    やわらかな紅のうえに
    紅をかぶせて
    みやまの雪のたそがれに
    あまやかな香が散る

    誰もいない
    いなくても いい
    誰が見ていようと見ていなくても
    ひたむきに咲く

    空の深さにまで のばした
    ゆびさきのしびれは
    芯に向かうふるえ

    決意は 熱をおび
    またひとつの つぼみをひらかせた

    はだれ雪が舞う
    あたりに紅がとけていく

    Scarlet Plum
    Haruka Ishii

    I hide myself in the depth of breath

    Covering a pink thin film
    Over tint scarlet layers
    Sweet aroma is dissolving
    Into an evening snowy hill

    Nobody is there
    Fine!
    Even so
    She blooms eagerly

    Stretching fingers to the sky
    Her feel numb must be
    Trembling lust

    Look! Her will made
    One more flower open

    Untidy snow falls on
    Crimson is melting on white

    Translation by Mariko Sumikura

    #2758

    mariko sumikura
    キーマスター

    夢幻
        石井春香

    夢のつづきのように呼ばれてきた
    夕闇のしだれ桜
    幹にもたれ
    花の中心で
    花をみあげ
    花の呼吸を聴いている

    そのとき ゆれたのは
    うす紅に巻かれた わたしだったのか
    風にうなずいた淡い夢の花房だったのか

    紅のレースは妖しげに ゆらぎゆらめき
    内側でわたしは
    巻いて巻かれて息ぐるしい

    そわらそわらと優しげな
    しだれ桜の囁きに
    そわらそわらと胸がなる
    木霊にとらわれて いっぽも動けないわたしに

    桜のえだは指をからませ
    首筋にまで のびてきた
    誰かが頭の芯をぐらりとゆする

    軽いめまいと気をとられているうちに
    花のくさりにつながれて
    うす紅にゆれていた

    ……ああ だれか来たようだ
    うっとりと わたしの腕にふれている……

    Sakura fantasia
    Haruka Ishii

    The dream may lead me here
    Drooping Sakura remains in twilight
    Leaning against the trunk
    I look up full blossoms
    From the foot of the tree
    Listening to her breath

    The scene has just swayed
    Was that me wrapped in pink?
    Was that her appeared in
    My pale dream?

    A crimson broad lace
    Is wavering over me
    So as to feel choking

    My heart beats responsing
    To soft whispers of Sakura
    Her spirit captured me
    So I could’t move anymore

    A drooping twig
    Is touching my neck
    Is anybody here?

    I feel dizzy
    For I am chained by her spirit
    And blooming getting together

    –Somebody seems to close
    I feel carres on my arm–

    #2762

    mariko sumikura
    キーマスター

    誰もいなかった

    たぶん
    誰もいなかったのです
    あなたのようにさりげなく「さようなら」といい
    かすかに心を傷つける男が
    たったそれだけのこと
    たぶん
    誰もいなかったのです
    愛の誓いを優しく受けとめる女が
    そうだから
    霜のように冷たくなったのです
    たぶん
    誰もいなかったのです わたしのように
    内なる世界で痛みに堪えて
    苦い涙を流した女が
    でもかざり笑いをしている
    あなたに会って
    そしてその思いを踏みにじっているとき
    たぶん
    この世で
    二人の男女はいなかったのです
    ひとりは―愛しているといい―でも愛していず
    もうひとりは―愛していても口にだせずに

    アファク・シヘリ(アゼルバイジャン) 
    There wasn’t anybody… Translation by Mariko Sumikura

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