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  • mariko sumikura が更新を投稿 5年 7か月前

    電詩手帖に詩をアップしました。感想をいただければ嬉しいです。

  • mariko sumikura さんがフォーラム「すみくらまりこ」の「さ行の詩人」というトピックに返信しました。 5年 7か月前

    薫香の里
              すみくらまりこ

     熱帯の濃密ないのちのやり取り、その競いがとめどなく深い森の中で収縮した。大ぶりの花は、香りのバリアを張り、隣のバリアに食込み、蝶を誘う。袋に蜜をしかけ、蟻を待つ植物、刺針を磨いて獲物を待つ葉、その長い潜み息。薫香の里はいのちの里だ。
    外敵から身を守るため滲ませる自らの樹液に侵される木質の多難な一生はどうだ。時を経て硬化し、濁の川に身を落とした沈香は、熱を与え薫じられて初めて妙なる香りを放つのだ。香積(こうしゃく)菩薩(ぼさつ)のみ言葉のように。そして安南にとれる極上の沈香はTAGARA(多伽羅)、そう黒沈香は伽羅と名付けられた。 …[ 続きを読む ]

  • mariko sumikura さんがフォーラム「すみくらまりこ」の「さ行の詩人」というトピックに返信しました。 5年 7か月前

    透けた蝶
    すみくらまりこ

    たとえ力なくとも
    無色の翅はどんな意匠よりも美しい
    向こうを透かしながら翅を立てて
    おまへは花の芯につかまっている

    もう、飛ぶことを諦めたのか
    もう、仲間と語り合うのをやめたのか
    まだ本当の歓びをしらない、と
    空の果てまで行くのではなかったのか

    透明になることは
    全てから去りゆくこと
    そして
    おまへは詩人(うたびと)
    ほんとうの詩人(うたびと)

  • mariko sumikura さんがフォーラム「すみくらまりこ」の「さ行の詩人」というトピックに返信しました。 5年 7か月前

    ダマスクスの薔薇
           すみくらまりこ

    舞い女の眼が挑みかかり
    砂の男の気は抜けていた

    オアシスに囲まれた旧市街の
    迷路のなかの小料理屋

    旅商人にとって至福の夜、
    酒より酔わせるものがある。

    すでに積まれた朝摘みの薔薇
    自らの熱に蒸せている。

    夜明けに港へ、速駆け十里
    南仏行きの船が待つ。

    まだ夜の迷路は入り口
    挑めよ 舞えよ 香気を放て

    おまえこそ
    ダマスクスの薔薇

  • mariko sumikura さんがフォーラム「すみくらまりこ」の「さ行の詩人」というトピックに返信しました。 5年 7か月前

    遅桜

                  すみくらまりこ

    三千本の桜が
    ほぼ散り果てた
    夜久野の山里にあって

    かろうじて咲き残り
    そよ風にさえ震える
    花の房を見つけた

    愛しもうとふれると
    待っていたかのように
    風と一緒に散っていった

    わたしにも
    このように散らした花が
    あったかもしれない

    こころが
    美しく痛んだ